薬剤師の転職理由と面接での伝え方を徹底解説

薬剤師は高収入で安定した職業と思われがちですが、実際には様々な悩みや不満を抱えている方も多いようです。そのため、転職を考える薬剤師も少なくありません。

しかし、転職活動では、面接での転職理由の伝え方が重要になります。採用担当者は、あなたがどうして今の職場を辞めたいのか、どうして新しい職場に入りたいのかを知りたいからです。

この記事では、薬剤師に多くみられる4つの転職理由と、それぞれの面接での受け答えのコツをご紹介します。

1. 仕事内容にやりがいを感じない

仕事内容にやりがいを感じないという理由で転職を考える薬剤師は多くいます。特に調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師は、同じような業務の繰り返しや機械化による効率化によって、自分のスキルや知識が活かせないと感じることがあります。

また、自分がイメージしていた仕事内容と現実とのギャップや、もっと幅広い分野や専門性の高い分野に挑戦したいという思いもあります。

面接での受け答えのコツ

このような理由で転職する場合は、自分がどんな仕事内容に興味や関心があるか、どんなスキルや知識を身につけたいかを具体的に伝えましょう。

また、今までの仕事内容に対して否定的なことは言わずに、自分が成長した点や学んだことをポジティブにアピールしましょう。

例文

「私はこれまで調剤薬局で働いてきましたが、同じような処方箋ばかり扱っているうちに、自分のスキルや知識が停滞していると感じるようになりました。そこで、もっと幅広い診療科目や医療機関と連携して働ける病院薬剤師に興味を持ちました。

調剤薬局で働いてきた経験からは、患者さんへの対応力やコミュニケーション力、調剤技術などを学びました。これまでの経験を貴社で活かせると思い応募しました。」

2. 待遇に不満がある

待遇に不満があるという理由で転職を考える薬剤師は少なくありません。特に給与やボーナス、福利厚生などの面で、自分の働きに見合った報酬を得られていないと感じることがあります。

また、残業や休日出勤が多く、労働時間が長いのに、それに見合った手当が支払われない場合もあります。薬剤師は売り手市場の状況が続いており、転職時に給与交渉が上手く進む可能性が高いため、待遇改善を目指して転職する方も多くいます。

面接での受け答えのコツ

このような理由で転職する場合は、自分がどんな待遇を求めているか、どんな条件で働きたいかを具体的に伝えましょう。

ただし、待遇だけにこだわっていると、採用担当者から「金銭欲が強い」「仕事への熱意がない」という印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、待遇以外にも自分のキャリアプランやスキルアップの目標などをアピールしましょう。

例文

「私はこれまでドラッグストアで働いてきましたが、給与やボーナスが低く、残業や休日出勤も多かったため、自分の働きに見合った報酬を得られていないと感じるようになりました。そこで、より高収入で安定した職場を探しており、貴社の求人に興味を持ちました。

ただし、待遇だけではなく、仕事内容や環境にもこだわっています。私は薬剤師としての専門性や知識を高めることにも意欲的であり、貴社では教育制度や資格取得支援制度などが充実していると聞きました。また、貴社では患者さんとのコミュニケーションや服薬指導にも力を入れており、私の志向に合っていると感じました。」

3. やりがいを感じない

薬剤師の主な業務内容は医師の処方箋に従って患者さんに薬を処方することですが、同じような業務の繰り返しにやりがいを感じないという理由で転職を考える方もいます。

特に、勤め先が扱う診療科の種類によっては、取り扱う医薬品も限られており、重症である患者さん以外には基本的に似通った処方箋になる傾向があります。そこから、イメージしていた仕事内容とのギャップやもっと豊富な種類の医薬品を扱いたいなど、毎日の業務内容にやりがいを感じることができなくて転職を考える人が多いです。

面接での受け答えのコツ

このような理由で転職する場合は、自分がどんな仕事内容に興味や関心があるか、どんなスキルや知識を身につけたいかを具体的に伝えましょう。

ただし、やりがいだけにこだわっていると、採用担当者から「仕事への責任感がない」「現実的ではない」という印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、やりがい以外にも自分のキャリアプランや将来の目標などをアピールしましょう。

例文

「私はこれまで内科系の病院で働いてきましたが、処方箋の内容がほとんど変わらず、同じような業務の繰り返しにやりがいを感じることができませんでした。そこで、より多様な医薬品や診療科目に触れることができる職場を探しており、貴社の求人に興味を持ちました。

ただし、やりがいだけではなく、仕事内容や環境にもこだわっています。私は薬剤師としての専門性や知識を高めることにも意欲的であり、貴社では最新の医療情報や学術資料にアクセスできると聞きました。また、貴社では患者さんへの説明や相談にも時間をかけており、私の志向に合っていると感じました。」

4. 転職理由の伝え方のコツ

転職理由を面接で伝える際には、以下の3つのポイントに注意しましょう。

嘘をつかないこと
ポジティブに伝えること
数字を使って客観的に伝えること

嘘をつかないこと

転職理由がネガティブであっても、嘘をつく必要はありません。嘘をつくと、面接官に不信感や疑念を抱かせてしまう可能性があります。また、嘘がバレた場合は、採用が取り消されたり、入社後にトラブルになったりする恐れもあります。

嘘をつくのではなく、ポジティブに言い換えるだけでいいのです。次のポイントでその方法を紹介します。

ポジティブに伝えること

転職理由をそのまま伝えてしまうと、面接官から「すぐ辞めそう」「グチが多い人」という印象を与えてしまう可能性があります。そのため、転職理由をポジティブに言い換えることが大切です。

ポジティブに言い換える方法は、以下のようなものがあります。

自分の成長やスキルアップを目指すという意欲をアピールする
貴社の魅力や志望動機を強調する
前職で得た経験や知識を活かせるというメリットを示す
転職理由として挙げた問題点に対して、どのように対処しようとしたかやどのような学びがあったかを述べる

例えば、「人間関係に悩んで辞めました」という転職理由は、「チームワークやコミュニケーションスキルを向上させたいと考えており、貴社では多様な人材と協力して仕事ができると聞きました。前職では人間関係の調整に苦労しましたが、それを通じて自分の改善点や相手への配慮の重要性を学びました」と言い換えることができます。

このように言い換えることで、自分の意欲や貴社への関心、前職での成果や反省などを伝えることができます。

数字を使って客観的に伝えること

転職理由を伝える際には、数字を使って客観的に伝えることも効果的です。数字は具体的でわかりやすく、面接官に信憑性や説得力を与えることができます。

例えば、「仕事量が多くて辞めました」という転職理由は、「月平均残業時間が40時間以上で、体調不良やプライベートの充実に支障が出てしまう」などです。

5. 転職理由の履歴書での書き方のコツ

履歴書に転職理由を書く際には、以下の3つのポイントに注意しましょう。

簡潔に書くこと
マイナスイメージを与えないこと
志望動機との整合性をとること

簡潔に書くこと

履歴書に転職理由を書くスペースは限られています。そのため、転職理由を簡潔に書くことが大切です。長々と書いてしまうと、採用担当者は読むのが面倒になってしまいますし、本質的な部分が伝わりにくくなります。

転職理由を簡潔に書くためには、以下のような方法があります。

転職理由を一言でまとめる
転職理由の背景や詳細は省略する
転職理由と志望動機を関連付ける

例えば、「人間関係に悩んで辞めました」という転職理由は、「チームワークやコミュニケーションスキルを向上させたい」と一言でまとめることができます。人間関係の調整に苦労したことや具体的なトラブルは省略しても問題ありません。また、「貴社では多様な人材と協力して仕事ができると聞きました」と志望動機と関連付けることで、転職理由がより明確になります。